とあるキャバレーの支配人の物語。

キャバレーがオープンをする前も、リハーサルや新人の面接などで支配人は大忙し。

踊り子達や小間使い、掃除人等のスタッフを従えて、なんとかお店を切り盛りしてきた、根っからの仕事人間だ。

夜になりショウが始まる前、彼はは一人舞台前の高揚感を楽しむ。

赤字続きで大変だった店の営業が、
やっと軌道に乗った。このままの時間が続いていてくれれば良いのに。

開演後、踊り子がひとりいなくなってしまった事に気づく支配人。

焦る中、先ほどの面接の女性がやってきて、熱意に負けピンチヒッターとして採用してしまう。

舞台は無事にフィナーレを迎え、拍手喝采。

しかし、そこに借金取りが現れる。

彼は自分の夢であるキャバレーの営業を続けるために、借金を抱え店を担保にしていたのだ。

全てを奪われ、店を追い出され、何もかも失った支配人は、ショックのあまり狂ってしまう。

そして、2年後の冬。

生きがいだったキャバレーを失った支配人は、うつろな目で街を彷徨っていた。

外灯の下で、あの時にピンチヒッターを務めた踊り子と再び出逢うのだった。